この表示は、2025年現在、Android・iPhoneのどちらでも確認されています。多くのケースで端末の故障ではなく、同期や認証の一時停止が原因です。
以下の手順で、必要なメールを守りながら短時間で切り分けできます。
「続行するには追加の対応が必要です」とは?
このメッセージは、Gmailアプリがサーバーとやり取りする際に、アカウントの確認(本人確認)や通信状態の再チェックが必要になったときに表示されます。
通知には「アカウントの確認が必要です」「セキュリティ保護のため再ログインしてください」「認証が一時的に停止されました」など、いくつかの表現があります。
- 受信が遅れる/通知が繰り返し出る
- 下書きの送信が止まり「送信中」のままになる
- バックグラウンド同期が追いつかない
これらは一時的な確認が挟まっているだけのことが多く、アカウント削除や初期化は不要です。
症状の自己チェック(いまの状態を3分で整理)
- 通知は出るが受信はできる:表示遅延や一時的な通信不安定の可能性が高い。
- 送受信ともに止まる:データセーバー・VPNなどのネットワーク制限やアカウント設定を優先確認。
- Wi-Fiだけ/モバイルデータだけで発生:ルーター、DNS、プロキシ、VPNの影響を疑う。
- 特定のアカウントだけで発生:外部クライアントとの競合やGoogle Workspaceの組織ポリシーを確認。
この切り分けをメモしておくと、後の対処がスムーズです。
主な原因とその背景

1. Googleアカウントの同期エラー
通信が不安定、またはサーバーが混み合っていると同期が一時停止します。受信の遅延、通知の途切れ、送信が進まない、といった症状で現れます。
省電力モードやデータセーバーでバックグラウンド通信が抑えられると表示が繰り返されやすく、公共Wi-Fiなど切断が起きやすい環境でも同様です。
端末の再起動や時間をおくことで回復する例が多く見られます。
2. 他アプリとの競合
Outlookなど外部メールアプリや旧式クライアントを同じアカウントで併用すると、認証のタイミングが重なり、一時的に接続が止まることがあります。
IMAP(メール受信の仕組み)を多重に使っていると発生しやすく、不要な同時接続を減らすと安定します。
3. Google側のシステム更新・障害
メンテナンスや一時的な障害があると、接続に遅延や揺らぎが出る場合があります。状況は公式のGoogle Workspace ステータスダッシュボードで確認できます。
障害が表示されている間は、ユーザー側の操作での改善は限定的です。(出典:Google Workspace ステータス)
4. アプリ・OSのバージョンが古い
古いアプリやOSは最新のセキュリティ仕様に合わず、認証で弾かれることがあります。GmailアプリとOSは最新に更新しておくのが基本です。
5. ストレージ不足・省電力設定
端末の空き容量が少ない、またはバックグラウンド動作が厳しく制限されていると、メールの取得や通知が遅れます。
空き容量の確保と、Gmailの制限解除で解消することが多いです。
用語メモ
- キャッシュ(アプリの一時保存データ):破損すると挙動が不安定になりやすい。
- IMAP(メール受信の仕組み):複数端末から同一メールボックスへ接続できる方式。
- VPN(通信を暗号化する仕組み):経路が変わると一時的に認証がずれることがある。
- OAuth(外部サービスに安全にログインする仕組み):旧式のパスワード直入力方式より安全。
- Google Play開発者サービス(Googleアプリの基盤機能):停止するとGoogle系アプリが不安定になる。
やってはいけない対応(大切なデータを守るために)
- アカウントの削除・再登録を繰り返す
同期の整合性が崩れ、データ消失の原因になります。 - パスワードや認証方法を連続変更
通信や更新が原因なら効果がなく、復旧を遅らせます。 - 非公式アプリの利用や強引な設定変更
アカウント保護が弱まり、乗っ取りリスクが上がります。 - 端末の初期化
最終手段です。バックアップが十分でない場合は避けましょう。
正しい対処法(2025年最新版|まずはここから)
① 公式ステータスを確認(所要1分)
Google Workspace ステータスダッシュボードで、Gmailの「障害」「遅延」表示を確認します。表示がある間は復旧待ちが最優先です。
② アプリとOSを最新版へ(所要3〜5分)
- Android:Playストアで「Gmail」「Google」「Google Play開発者サービス」「Google Play ストア」を更新。
- iPhone:App Storeで「Gmail」を更新。設定 → 一般 → ソフトウェア・アップデートを確認。
最新化で既知の不具合が解消されることがあります。(出典:Google公式ヘルプ / Appleサポート)
③ キャッシュを削除して再起動(所要2分)
- Android:設定 → アプリ → Gmail → ストレージ → 「キャッシュを削除」「データを削除」 → 端末再起動。
- iPhone:再インストール前に一度端末を再起動して挙動を確認。
キャッシュ破損による不具合を除去できます。
④ 同期をOFF→ONでリセット(所要1分)
設定 → アカウント → Google → 対象アカウント → 同期を一度OFF → 30秒待ち → ON。
通信経路が再確立され、改善しやすくなります。
⑤ 通信環境を切り替える(所要1分)
Wi-Fiとモバイルデータを切り替える、ルーター再起動、VPNを一時停止。
ネットワーク起因の影響を切り分けます。
⑥ 応急対応:別アプリでメール確認(必要時)
OutlookやSparkなどでGmailを読み込み、重要メールの見逃しを防ぎます。
復旧後はGmailに戻しましょう。
Android・iPhone別の具体的な設定例

Android
- バッテリー最適化を除外
設定 → アプリ → Gmail → バッテリー → 「最適化を除外/制限なし」。 - データセーバー調整
設定 → ネットワークとインターネット → データセーバー → Gmailのバックグラウンド通信を許可。 - 日付と時刻
設定 → システム → 日付と時刻 → 「自動」をON(認証のズレ防止)。 - Google Play開発者サービス
無効化している場合は有効化/更新を実施。
iPhone(iOS)
- バックグラウンド更新
設定 → 一般 → 「Appのバックグラウンド更新」をON。 - モバイル通信
設定 → モバイル通信 → GmailをON。 - 通知設定
設定 → 通知 → Gmail → 通知を許可(即時配信)。 - プロファイル・VPN
不要なら一時的にOFFにして挙動を確認。
60秒でできる“軽いリセット”
- 機内モードON → 10秒 → OFF
- 同期OFF → 30秒 → ON
- AndroidはGmailのキャッシュ削除/iOSは一度再起動
- 端末を再起動
- 必要に応じてブラウザ版Gmailで受信確認(メール紛失の不安を解消)
原因と対処の早見表
よくある原因 | まず試すこと | 追加で効くこと |
---|---|---|
一時的な同期停止 | 端末再起動/同期OFF→ON | 機内モードON/OFF、時刻を自動設定に |
アプリの不具合 | Gmail更新、キャッシュ削除 | データ削除、再インストール(最終手段) |
ネットワーク起因 | Wi-Fi⇄モバイル通信切替 | ルーター再起動、VPN停止 |
省電力・データ制限 | 例外に追加/バックグラウンド許可 | データセーバーOFF、節電解除 |
IMAP競合・多重接続 | 不要クライアントからログアウト | OAuthで再ログイン、連携の整理 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 通知だけ出てメールは届きます。放置しても大丈夫?
A. まず公式ステータスを確認し、アプリ更新と再起動を実施してください。重大な障害でなければ、数時間〜数日で収まるケースが多いです。
Q2. 送信だけ失敗します。どうすればよいですか?
A. ネットワーク(VPN・プロキシ・データセーバー)の影響が考えられます。Wi-Fi⇄モバイル通信の切替、VPN一時停止、ルーター再起動で切り分けましょう。
Q3. 再インストールは有効ですか?
A. 最終手段としては有効です。下書きや添付のバックアップを確認してから行ってください。
Q4. 2段階認証(MFA)をオフにすれば直りますか?
A. 推奨しません。セキュリティが下がり乗っ取りの原因になります。復旧は上記手順で行い、MFAは維持してください。
予防と日常のメンテナンス(再発を減らすコツ)

- GmailとOSを自動更新に設定する。
- Googleアカウントのセキュリティ診断を定期的に実施し、不要な連携を解除。
- ストレージの空き容量を定期チェック。キャッシュを月1回目安で整理。
- Gmailを省電力・データセーバーの除外対象に設定。
- 不要なメールクライアントからはログアウトし、IMAPの同時接続を減らす。
まとめ|公式確認→更新→同期→通信の順で解決
「続行するには追加の対応が必要です」の表示は、同期や認証の一時停止がきっかけで出ることが多く、落ち着いて順番に確認すれば解消できます。
ポイントは、公式ステータスの確認 → 最新化 → キャッシュ整理 → 同期リセット → 通信切替という流れ。
どうしても必要なときは代替アプリでしのぎ、復旧後にGmailへ戻せば安心です。
毎日使うメールこそ、確実に。小さな一歩を積み重ねて、またいつものGmailに戻していきましょう。